買取日記
BLOGモーゼルの名作グラスまとめ(11/12種)
「王様のガラス」とまで評される、ボヘミアガラスの最高峰ブランドのモーゼル。その名作たちがいろいろ入荷しましたので記念にまとめておこうと思います。
※今回のまとめはモーゼルグラスコレクション(全12種類)からの抜粋ですが、ひそかにポープがありません。レディーハミルトンはコニャックグラスです。
1. クロムウェル
チューリップ型のボウルにアーチ型の大きな六面のファセットカット(平面カット)が特徴のクロムウェル。1911年にデザインされたこのスタイルは、ポープ、アデルメリコフ、レディーハミルトンなどのシリーズに継承されました。
2. ディプロマット
1940年に発表された“Diplomat(ディプロマット)”は、“外交官”という意味で、その名前の通り外交官用に作られた高級シリーズです。大胆な六面カットと独特なシェイプは、1920年代後半のガラス製品に影響を受けているそうです。
3. スプレンディッド
1911年に発表されて以来、モーゼルで最も有名なシリーズ。”Splendid(スプレンディッド)”とは”華麗な、壮麗な”という意味で、その名前の通り、贅沢に使われた金彩、ダイヤモンドカットなどのモーゼルの技巧の数々が用いられています。
4. アデルメリコフ
ブランド創始者の息子(ルドルフ・モーゼル)の妻(アデール)の名前が冠されたシリーズ。女性の名前を冠したシリーズですが、大胆で力強い男性的なカットが特徴です。
5. マハラニ
マハラジャの妻から依頼で作られたことから、“マハラニ(マハラジャの妻)”と名付けられました。グラス全体にびっしりと施された草花の装飾、贅沢に使われた金彩など、モーゼルの技法を余すことなく用いて作られた圧巻のシリーズです。1895年にデザインされました。
6. モーツアルト
音楽家モーツアルトの名前を冠したこのシリーズは、ロココ主義と古典主義の芸術からインスピレーションを受け、1936年にデザインされました。口元やステムに施されたパールカットが特徴です。
7. レディーハミルトン
1934年に発表されたレディーハミルトンは、グラスの縁に施されたアールデコ調の金彩装飾がエレガントなシリーズです。イギリスのネルソン提督の恋人エマ・ハミルトンにちなんで名付けられました。グラス底面に施されたファセットカット(平面カット)が特徴です。
8. ロイヤル
1907年にアレクサンドラ女王(エドワード7世の妻)のためにデザインにされたことから“ROYAL(ロイヤル)”の名前が冠されました。繊細な格子状のカットとステムの六面カット、24金のゴールドラインが特徴です。
9. コペンハーゲン
デンマークの首都名が冠されたシリーズで、1909年にデザインされました。草花の紋様が施された24金の幅広の金彩と六角形のフットが特徴です。スラリとした調和のとれたシルエットで、上品な雰囲気の一品です。
10. ナポレオン
フランス皇帝ナポレオンの名前を冠したシリーズ。スクエア型のボウルに、珠状の装飾がついたステムが特徴です。ボウルの底部からステム、そして珠状の装飾へとつながる部分の多面カットがとても美しい一品です。
11. アルゼンチーナ
1934年にデザインされた“Argentina(アルゼンチーナ)”は、アルゼンチン外交官のためにデザインされたことから、その名前が冠されました。大胆な四面のフラットカットと独特なシェイプが印象的な一品です。