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洋食器の入門書にオススメの一冊『西洋陶磁入門』

洋食器の入門書にオススメの一冊『西洋陶磁入門』

勉強がてら洋食器関係の書籍をいろいろ読んで見ているのですが、どうも小難しい本が多くて消化不良気味。そんな中、最近読んだ『西洋陶磁入門』が良かったので紹介します。

『西洋陶磁入門』

古代ギリシアから、マイセン、ウェッジウッドなどの近代陶器まで、時代を代表する16の作品を通して、ヨーロッパの陶磁器の変遷を解説した一冊。

小難しい解説本が多い中、「入門」ってことで、適度で小気味よい説明文と、美しい写真で読みやすくまとまってます。器に秘められた物語がおもしろくて一気に読めちゃいました。ひとつひとつ詳しく知るのもいいのですが、一気に辿ることで全体像が掴めた気がします。オススメです。

西洋陶磁入門―カラー版 (岩波新書)

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大平 雅巳
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ヨーロッパの三大陶工とは

いろいろな登場人物が出てきましたが、やっぱりヨーロッパの三大陶工は覚えておきたいですね。

300人以上の欧米人の成功談を集めたサミュエル・スマイルズ著の『セルフ・ヘルプ(自助論)』(の翻訳版の中村正直の『西国立志編』)によると、ヨーロッパの三大陶工は次の3人だそうです。

1. ベルナール・パリッシー(フランス:1510〜1590)

フランスのルネサンス期に活躍した陶工、リスティック・フィギリン(田舎風土器)と呼ばれるカエルやトカゲなどの小動物をリアルに再現した、どちらかというグロテスクな作品が有名。その技法完成に至るまで、家具や床板まで窯にくべた話や、プロテスタントとしての悲劇的な死など、その真摯な生き様はフランスの教科書にも載るほどリスペクトされているそうです。

2. ヨハン・フリードリヒ・ベトガー(ドイツ:1682〜1719)

ヨーロッパではじめて白色磁器を完成させたドレスデン(ドイツ)の錬金術師。金の錬金に成功したと吹聴していたため、噂を聞きつけたアウグスト2世に捕まり、以後13年間にわたり実験室に幽閉されることに。1709年、(金の錬金は無理でしたが)ついに白色磁器の製造に成功しました(1710年にヨーロッパ初の硬質陶器窯「マイセン」が誕生)。しかし、その後も秘法が外に漏れないよう幽閉は続き、37歳で亡くなっています。

3. ジョサイア・ウェッジウッド(イギリス:1730〜1795)

イギリス最大の陶器メーカー「ウェッジウッド」の創業者。延べ一万回以上の実験の末、ウェッジウッドの代名詞ともいえるジャスパーウェアを開発しました。経験や勘に頼る製法に対する不満から、窯の中の温度を測るパイロメーターを考案するなど、陶器製造の近代化に寄与しました。(おまけ:進化論で有名なダーウィンはジョサイア・ウェッジウッドの孫)

投稿者のコメント

第2話に出てる古代エトルリアの「夫婦の陶棺」は、新婚旅行でルーブル美術館に行ったときに見た記憶があります。

(更新日:2018年07月28日)

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